生態
ハエに属する昆虫は、日本だけで約3,000種が存在します。仲間として、カ(蚊)・アブ(虻)・ガガンボなどが挙げられます。ハエとは、昔から、私たちの生活環境の中で昔から駆除対象として一般に「ハエ」と呼ばれてきた、イエバエ類、ニクバエ類、クロバエ類、キンバエ類などの大型のハエと、「コバエ」と呼ばれるショウジョウバエ類、チョウバエ類、ノミバエ類などの小型のハエ類の昆虫と、形態的な類似性からコバエ類に含まれる昆虫の事をいいます。いずれも私たちに不快感を与え、種によっては伝染病を媒介し、人畜に害を与えるものもいます。「蝿」という漢字は、よく見ることができる前脚を擦りあわせるしぐさが、縄をなっているように見えることに由来しています。
ハエ
ハエとは、建物内やその周辺、つまり居住空間で発生し、衛生害虫として問題になる昆虫の総称です。建物内外で発生して、腸チフス、病原性大腸菌O-157、赤痢、鳥インフルエンザなどの伝染病の媒介者とされています。食品工場などの製造施設では、食べ物への混入異物となる恐れがあります。ハチや蚊などに外見が似ていることから、恐怖感を与えたり、その姿形から人に嫌悪感を抱かせたりします。実際に吸血や刺咬の被害を与える種類もおり、様々な種類が生息しています。
コバエ
コバエとは、比較的身近に見られる小型の昆虫で、ハエの中でも体長が2~3mmと非常に小さなハエ類の総称となります。コバエ類には、不快昆虫として問題とされるチョウバエ科・ショウジョウバエ科などの種類が含まれます。発生場所等によってその生態は異なり、お風呂場などの排水管から発生するコバエは主にチョウバエ、キッチンやゴミ捨て場などで発生し、群れをなすコバエは主にショウジョウバエの仲間となります。これらのコバエ類は残飯やジュースの残り、生ゴミ、腐敗物、排水管や下水などから発生し、短期間で卵から成虫になるため、突然、多数が発生することがあります。また食品などに混入する事故も多く、食品を扱う店舗や工場では深刻な被害が起こりえます。主な発生源が汚れた場所ですので、環境衛生問題となります。

ハエ

コバエ
特徴
ハエは完全変態を行う昆虫で、ライフサイクル(卵~成虫)は卵・幼虫(ウジ)・さなぎ・成虫の4段階から成り立っています。成長が早く、卵→幼虫→さなぎ→成虫のサイクルを夏の暑いときには、1週間程度で繰り返します(種類によって異なります)。ハエは主に日中に活動し、摂食・交尾・産卵を行います。夜間はあまり活発ではありません。幼虫はウジ虫と呼ばれ、腐敗、発酵した動植物に生息し、液状化した有機物を主に食べています。食品、生ゴミ、糞尿など特に腐敗した有機物から発生するため、発生数が多ければ多いほど不衛生な環境といえます。成虫は、足や口に病原菌をつけたまま食べ物にとまるため、食中毒やさまざまな病気を媒介することがあります
イエバエ
体長 | 体長5~8mm |
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エサ | 動物の糞や死骸、果実など |
特徴 | ・最も身近なハエの一種 ・家によく入り込む為、イエバエの和名がある ・腹部がオレンジ色をしており黒い帯模様がある |
ショウジョウバエ
体長 | 体長2~3mm |
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エサ | 熟した果物や樹液や、これらに発生する天然酵母 |
特徴 | ・糞便や腐敗動物質には近づかない ・病原菌の心配は少ない ・食品にたかることが多い |
センチニクバエ
体長 | 体長8~14mm |
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エサ | 動物の糞や死骸、果実など |
特徴 | ・全国でよく見られるハエ ・糞があれば必ずと言ってよいほど本種が集まってくる ・前胸部は白黒の縞模様で、腹部は市松模様である ・複眼は赤く大きい |
キンバエ
体長 | 体長6~12mm |
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エサ | 動物の糞や死骸,果実など |
特徴 | ・金緑色(青緑色や銅赤色もある)で金属光沢がある ・動物の死体から発生する |
チョウバエ
体長 | 体長1~5mm |
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エサ | 汚水の上に浮かぶスカム(浮上汚泥)やヌメリ |
特徴 | ・体より羽が大きく、ハート型を逆にしたような形 ・湿地や沼などの水際が主な生息地である ・お風呂場、排水パイプ、下水溝など水周りから発生する |

イエバエ

ショウジョウバエ

センチニクバエ

キンバエ

チョウバエ
被害
ハエは食べ物や排泄物、ゴミ類に集まるだけではなく、病原性の細菌やウィルス、大腸菌、サルモネラ菌、赤痢菌、寄生虫の卵などを媒介し、病気を引き起こす原因となります。1990年代後半以降に問題となった、病原性大腸菌O-157やトリインフルエンザウイルスもハエによって媒介されており、その後も今日に至るまで被害が発生しています。また食品などに混入する事故も多く、食品を扱う店舗や工場では深刻な被害が起こりえます。主な発生源が汚れた場所ですので、環境衛生問題となります。
衛生害虫として特に問題となる種類
ハエ類 | イエバエ・オオイエバエ・ヒメイエバエ・サシバエ・ケブカクロバエ・オオクロバエ・ヒロズキンバエ・センチクバエ |
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コバエ類 | ノミバエ類・トゲハネ類・ハヤトビバエ類・ショウジョウバエ類 |
- ハエは不潔な場所を好み飛びまわる昆虫ですので、食中毒など、恐ろしい病原体をまき散らす危険性を持っています。ハエに触れたり、ハエが手や顔などにとまったら、水道水などで接触箇所を十分に洗ってください。特に食事前には十分手を洗ってください。
駆除方法
まず、被害を及ぼしているハエの種類・発生場所・発生源を特定します。発生源の除去が可能な場合は、除去を徹底して行います。また、発生場所の幼虫対策として、専用の殺虫剤を使用し駆除します。特に排水溝などの汚水から発生するコバエ類の幼虫に関しては、高圧洗浄などによって、汚水の上に浮かぶスカム(浮上汚泥)やヌメリを定期的に除去清掃し、殺虫剤散布を繰り返し行う必要があります。成虫に対しては、発生数が少量であれば、スプレー式殺虫剤(エアゾール剤)を直接噴霧することで対処可能です。大量発生した場合は、空間全体の噴霧や燻煙剤を使用し処理いたします。密閉された空間では、蒸散性の殺虫プレートの設置も非常に効果的です。
駆除料金
害虫駆除は、被害状況や建物の面積、施工内容、施工回数などによって料金が変わります。正式な料金につきましては調査・お見積りをご依頼ください。(仙台圏の見積料金 無料)
ハエ駆除 | 25,000円~(税込 27,500円~) |
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チョウバエ駆除 | 25,000円~(税込 27,500円~) |