生態
通常目にするハチで、人を刺すハチはスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチの3種類です。中でも最も危険なハチで有名なのがスズメバチです。日本国内には16種類のスズメバチが生息しており、東北に分布している主なハチは3種類(オオスズメバチ、キイロスズメバチ、コガタスズメバチ)です。スズメバチの活動が活発になる時期は、例年4~11月下旬頃であり、被害も当然この時期に集中します。スズメバチの場合、冬眠するのは女王バチのみで、 翌年の春になると冬眠から目覚め、巣作りを開始します。巣作りと同時進行で産卵し、働きバチがある程度の大きさになるまでは営巣も行いますが、その後女王バチは産卵に専念します。だいたい6月後半頃には巣に働きバチが現れ始め、その後急速に巣が大きく発展します。10月末ごろに巣の大きさが最大規模になり、越冬できない働きバチは死滅し、空の巣だけが残ります。空になった巣を、翌年再利用することはありません。

アシナガバチの巣

ミツバチの巣
特徴
スズメバチの巣はボール状で、表面には特徴的なマーブル状の模様があります。巣の材料は枯れ木からかじり取った木の繊維を唾液に含まれるたんぱく質で固めたものです。巣の内部はハニカム状と呼ばれる六角形の集合体となっており、産卵した卵が孵化すると幼虫もそこで育ちます。巣には出入口が1つあり、常に見張り役のハチが周辺を警戒し飛んでいるので、近づくのは非常に危険です。時間と共に巣はさらに上に材料を塗り重ねていき、層を増し円形に大きくなっていきます。ちなみにアシナガバチの巣は層を重ねることはなく、お椀を逆さまにひっくり返したような形状です。ハチはそれぞれ個体ごとに階級と役割分担がはっきりしていて、『社会性昆虫』と言われています。目的に沿って集団で行動することも有名です。女王バチを頂点とする集団はそのほとんどがメスで構成されており、働きバチも例外なく全てメスです。働きバチは巣作りとエサの採取に飛び回り、女王バチと幼虫の世話をします。一説によると、働きバチの飛行距離は1日に50~100kmとも言われるほどで、驚異的な体力を誇ります。スズメバチの幼虫は肉食であり、主に昆虫を栄養源としていることから、幼虫の世話を担当する働きバチは優れた昆虫ハンターでもあります。
ハチに刺される主な要因
- 汗の臭い、たばこ、香水などの刺激臭を放つ
- 黒い髪、黒い服などはハチの天敵である熊を連想させる
- 草刈や大きな音を出すなど巣に振動を与える
- ハチや巣に触る、叩く、振り払う

スズメバチの巣

表面を解体

中は何層にも連なる
被害
人がハチに襲われる理由のほとんどが、巣を守ろうとするハチの防衛本能によるものです。一つの巣自体が一つの社会を構成しており、巣を守るために集団で危険の原因を撃退しようとするのです。ハチに刺されると、刺された箇所にフェロモンが発生し、そのフェロモンを目掛け他のハチが殺到します。ハチに襲われないためには、巣を見つけても絶対に近寄らないことです。また、ハチの接近に騒いだり、ハチをはたき落とそうとした場合、ハチを却って興奮させることになるので注意が必要です。ハチに刺されると、直後に激しい痛みに襲われると同時に腫れ上がり、体温の上昇、蕁麻疹(ジンマシン)が出るなどの症状がでます。体質にもよりますが、最悪の場合、短時間でアナフィラキシーショックを起こし死に至る場合もあります。アナフィラキシーショックとはハチの毒による急性アレルギーであり、症状としては目眩(めまい)や意識朦朧、呼吸困難、血圧の低下などです。ハチに刺された場合は、その症状に関わらず最寄りの医療機関に速やかに行き、医師の適切な治療を受けてください。
ハチに刺されたら
- 刺された場所から、安全な場所に避難する
- 傷口を水で洗い流す(ハチの毒は水に溶けやすい)
- 患部に抗ヒスタミン軟膏を塗る(アンモニアは効果がありません)
- ハチ毒に敏感な体質の人は、死に至る場合もある
(ひどい腫れ、じんましん、めまい、吐き気、息苦しさなどの症状がでたら、直ちに医師の診断を受けてください)

アシナガバチに刺された手

自転車に集まったミツバチ

壁の中に作られたミツバチの巣
駆除方法
巣の大きさや場所、またハチの種類にもよりますが、退治には常に大きな危険が伴います。駆除の際、作業員はどうしても巣に近づくことになりますが、ハチは警戒信号(スズメバチは大顎でカチカチと音を鳴らす)を発し、非常に攻撃的となり集団で襲ってきます。そのため、作業員は刺されても被害を抑える専用防護服を着用し、駆除作業を行います。使用する薬剤についてもハチの種類にあわせ、各専用の薬剤を使用します。当社では、駆除の前にまずご近隣を訪問いたします。これは駆除時に攻撃的になったハチが周りを飛び回るため、駆除作業開始前に各ご家庭の窓をきちんと閉めていただきたいこと、巣の周辺には絶対に近づかないで欲しいなどのお願いと注意喚起を行うためです。当然近所を通りかかる方に対しても細心の注意を払い、駆除作業を進めます。作業は成虫と幼虫の駆除、さらに巣の撤去を行います。駆除後は死骸の回収と、再度、新たに巣を作られないよう予防する薬剤を散布します。駆除作業は全てのハチが巣にいるタイミングを狙って行いますが、駆除中に巣から離れていて駆除が完了後、巣が無くなってから帰ってくるハチがいる場合が生じることもあります。このハチのことを『戻りバチ』といいます。戻りバチは自分の巣が無くなっているのが分かると興奮し、非常に攻撃的になりますので、駆除作業が終わってもすぐに安心せず、しばらくは巣のあった場所には近寄らず注意してください。

防護服

高所作業車

作業風景
駆除料金
害虫駆除は、被害状況や建物の面積、施工内容、施工回数などによって料金が変わります。正式な料金につきましては調査・お見積りをご依頼ください。(仙台圏の見積料金 無料)
ハチ駆除 | 25,000円~(税込 27,500円~) |
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