生態
ムカデは頭部の毒爪に毒腺を持っており、この毒を用いて昆虫などの小動物を捕食する肉食の虫です。小型のものは主に土の中に、大型のものは草むらや落ち葉の下、朽木内、石垣の間などに生息しています。ゴキブリなどの虫を捕食するため、家屋内に侵入することもしばしばあります。大型の種類のムカデは人に対して好戦的で、特に人間に捕まえられたものは見境なく噛みついてくるほどです。トビズムカデと呼ばれる大型のムカデの被害が最も多く報告されています。ムカデは暗くて湿り気がある狭い場所を好んで生息します。春から夏にかけて産卵し、孵化後3年程度で成体となります。
ヤスデは枯葉や土壌の有機物と、それに付着している真菌を主に食べていますが、まれに動物の死体を食することもあります。多くの種類のものは、体表にある毒腺から液体もしくは気体の刺激物を分泌しますが、ムカデと違い外敵に対して好戦的ではなく、危険を感じると威嚇で臭液を放出し、体を丸め自己防衛します。生息箇所はムカデと同様、落ち葉下や朽木内、石の下などです。梅雨などの湿度の高いときに、ブロック塀に群がったり、家屋内に侵入して、不快害虫として問題になることが多くあります。
ゲジはゴキブリなどの小昆虫を食べる肉食性の虫です。ムカデ、ヤスデと同様、湿った場所を好み生息しています。外敵に対する攻撃性も低く、積極的に人間を咬むことは少ないです。足が速く低空で飛んでいる虫をジャンプで捉えるなど高い運動性をもちます。その見た目と素早く動き回るさま、餌を求め屋内に侵入してくることから不快害虫として扱われています。
ムカデ・ヤスデ・ゲジの体長
ムカデ | 12~15cm |
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ヤスデ | 1~2.5cm |
ゲジ | 3~7cm |

ムカデ

ヤスデ

ゲジ
特徴
ムカデは漢字で『百足』と表記されるとおり、足の数が多いことが一番の特徴です。体の各節からそれぞれ左右1対の足が出ています。対になった足の数がゲジ目とイシムカデ目は15対、オオムカデ目は21対もしくは23対、ジムカデ目は30対以上(最多で177対)となっており、それぞれ分類されています。口は4対の肢(歩行には使いません)で構成されており、毒爪と呼ばれているものは、4番目の肢が変形したものです。被害報告件数が一番多いトビズムカデは、頭が赤褐色で背中が黒っぽく、足は黄褐色。夏場に約50個の卵を産卵、体を丸め、腹の下に卵を抱えるようにして守ることが特徴です。
ヤスデもムカデ同様、体の各節からそれぞれ1対の足が出ており、特徴としてほとんどの種が、硬い外骨格を持っています。ただしフサヤスデ目は軟らかく剛毛を持っていて、動きは鈍く、驚くと丸くなって擬死(死んだフリ)をします。
ゲジの特徴は、足と触角の長さ、それに対して短い体ということです。足が非常に早く滑るように移動します。足の数は15対です。
ムカデの特徴
- 肉食性(ゴキブリや昆虫等)
- 寿命は5~10年
- 夜行性
- 強い毒(刺咬)
- 高温多湿の環境を好み、夏場に多く出没する
ヤスデの特徴
- 雑食性(腐食食性)
- 寿命は6~7年
- 夜間、曇りの日
- 体表の毒腺から刺激物を分泌
- 高温多湿の環境を好み、夏場に多く出没する
ゲジの特徴
- 肉食性(昆虫)
- 寿命は5~6年
- 夜行性
- 弱い毒(刺咬)
- 高温多湿の環境を好み、夏場に多く出没する

ムカデの頭部

ムカデの毒牙

刺激を受けると体を丸める
被害
ムカデはゴキブリ等の虫を捕食するために家屋内に侵入し寝具や洗濯物、靴の中などに潜むことがあります。それに気付かず咬まれてしまうという被害のケースが多くあります。特に大型のムカデは注意が必要で、捕獲しようとした際に暴れ、手当たり次第に咬みつくほど凶暴です。ムカデに咬まれてしまうと痺れを伴った激痛があり、局部は腫れて、リンパ管炎を起こす場合もあります。また、体質によりアナフィラキシーショックを発症することもあります。
ヤスデはムカデと違い好戦的ではないので、積極的に咬んだり刺したりはしませんが、その姿形から不快害虫とされ、梅雨時などの湿度の高い時期に大量発生し、家屋内に侵入する被害が多くあります。ヤスデは体に触れられると、威嚇として刺激臭のある液体やガスを分泌します。この分泌物の成分は青酸やヨードであるため、皮膚につくと痛みを感じ、目に入った場合は結膜炎などを引き起こす原因となるので十分に注意が必要です。分泌物の臭いはきつく、手につくと臭いがなかなか取れないくらいです。森林にヤスデが大量に発生した場合、踏みつぶされたヤスデの体液により、車や列車がスリップを起こすという事故も報告されています。
ゲジによる被害は、その異様な見た目と素早く走り回るさまからの不快感、嫌悪感です。
ムカデによる主な被害
- 咬傷被害
- 精神的被害
- ショック症状
- 侵入被害

咬まれた指

腫れた手
駆除方法
ムカデ、ヤスデ、ゲジの駆除を行う場合、まず被害状況と家屋内外の環境を調査した上で発生源を特定していきます。基本的には朽木や落ち葉、石の下などが生息ポイントとなりますので、それらを除去または整理整頓し、環境の改善をおこないます。ムカデやヤスデ、ゲジが好む環境は、「湿った土壌」なので家屋周りの土壌表面に、直接日光が当たるようにして乾燥させることも重要です。薬剤処理としては家屋周りのポイントに対し、液状もしくは粒状薬剤を散布します。ムカデやヤスデ、ゲジが家屋内に侵入しているか、その恐れがある場合には、家屋内の燻煙(薬剤と煙を共に充満させる)もしくは薫蒸(霧状にした薬剤を充満させる)をおこなうことにより死滅させます。ただし、薬剤による効果には限りがありますので、場合によっては定期的な薬剤処理が必要になるケースもあります。当社では、薬剤の効果がより長く続くように、または薬剤に頼らない解決を目指し、環境改善のアドバイスも同時におこなっております。

土壌散布

粒剤散布

燻煙消毒
駆除料金
害虫駆除は、被害状況や建物の面積、施工内容、施工回数などによって料金が変わります。
正式な料金につきましては調査・お見積りをご依頼ください。(仙台圏の見積料金 無料)
ムカデ駆除 | 25,000円~(税込 27,500円~) |
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ヤスデ駆除 | 25,000円~(税込 27,500円~) |
ゲジ駆除 | 25,000円~(税込 27,500円~) |